まだ涼しい、曇りのち晴れ

「日本で一番悪い奴ら」と「ブルックリン」を続けて観る。
「日本で一番悪い奴ら」が面白かった。ほとんど全員アホだ。そしてほとんど全員楽しそうだ。しかしアホが調子こいてぶっとばしているので最終的には全部台無しになっちゃう。悪いことをしてがっぽがっぽ稼いでいるはずなのに、金回りのよさそうな描写はあんまりなかった。
綾野剛の演技が素晴らしかった。単細胞のアホとして登場し(最初の頃は「ウス!」と言うか、口をとんがらかしておたおたするかしかしてない)、あんなこともこんなこともあって最終的には死体がごろごろして自分は塀の中に入って、しかし何も変わっていない、最初の単細胞のアホのまま終わる。単細胞のアホになってないともう生きてらんなかったということなのかもしれないな。
一方「ブルックリン」も、アイルランドの田舎の街から大都会ニューヨークへ海を渡って就職した娘が、あんなこともこんなこともあって、自分で考えて結論を出す。成長している。
性別の違いもあるだろうか。
シアーシャ・ローナン演じる主人公エイリシュは、ほとんどいつも形のいい口をピシッと閉じて淡々としていて、全体としてこの子はどういう子なのかよくわからなかった。ドロリスを「あの子ひどいの」と言ってダンスホールに放置する場面なんか、むしろエイリシュの方がひどいと見えた。


そうそう、「日本で一番悪い奴ら」は飲み物が印象的だった。よく飲む。
最初の道場のシーンの、紺に白丸柄のよくある湯呑みが警察署でも出てきて、それからナイトクラブでお茶(主人公は下戸)、ピエール瀧とビール、ビール飲めるようになったんだと思ったらクリームソーダ(ストローでズズズズーっと飲む)、お茶(ヤクザの事務所でめちゃくちゃこぼしながら)、手柄を立ててナイトクラブでコーラ、数年後また白丸柄の湯呑み登場でそのお茶を出してくれるのがあとで愛人になる婦警、、落ちぶれてシャブ中になった最後はペットボトルに入ったただの水(シャブ中になると喉がすごく渇くとのこと)。
本庁の感じの悪い刑事が猿渡という名前だが、「ロクヨン」オマージュかな?



帰って、パンを焼く。
また酸っぱくなってしまった。



代打を頼まれた。