じんわり寒い、鈍色に曇り

病院。

沈黙もアレだと思ってラジオをつけたらNHK-FMはクラシックだった。

帰りもクラシックで父の好きなバッハだった。

 

普段だったら途中で投げられても、それに対応することを楽しみの方向に持って行けただろうが、今は脳みそが絵のことに行っているからとても切り替えられないのだ、という考えに至る。

どっちにして、尻ぬぐいと感じてしまえば苦痛なだけだ。

 

 

看護師さんに問診の後、他に何か気になることはありますかと聞かれて「ワインが飲めないのが」と答えて笑いを取っていた。ワインOKらしい。おしゃれ爺さんとして記憶された模様。

雪山に行ったことがあるか聞いてみると、大学生のときに東京薬科大学の山岳部に混ぜてもらって穂高や劔に行った話をはじめ、興に乗ったらしくトイレに行って中断したあとも帰りの廊下でまた話し始めた。

母は山の話はあまりしないのかと言うので、終戦後の鎌倉の話の繰り返しだと答えると納得していた。