父、退院。
会社1日休む。
ベッドに再び寝てる姿を見たら二週間見ない間になんか随分老人感が増したなーと思ったが、髭が剃られていたことにだいぶ経ってから気づく。晩年の祖母にそっくり。
「ニーチェの馬」の父親からは遠ざかった。
夜、弟来る。
姉が介護休暇が取れるかしきりに聞いてきて、しかしもうこの状態になっているならば逆にそれほどやらねばならないこともないだろうにと、気が進まない。
あとで全員の連絡網で、そばにいられる時間が長く取れるようにとの配慮だったとのこと。
どうなんだろう??
去年雲ノ平に行って、何か精算できたようにすっきりしてしまっている。気持ちを仕切り直した方がいいのだろうか。
「黒部の山賊」著者で雲ノ平山荘の先代の人に会ったかどうか姉が話を振ると、妙に嬉しそうに笑って私の方を指差してきた。
夜、「では出発しよう」と何度も言う。
余命宣告されたあたりで、「しかし自分が犠牲にはならないように、自分にとっての喜びは手放さないように気を付けよう」と心に決めたが、いよいよことが進むとそんな考えなどはペラっと吹っ飛ぶぐらい軽いものだったのだなという実感。