ちょい寒さ、晴れ

克子さんの移動書店へ。

 

行きの電車は結構混んでいた。乗り込んだときちょっと離れたところがふたつ空いて、逆のドアから入ってきた人が一人座り、私もそのまま歩けば座れる、と思ったときに後ろから杖をついたおばさんが入ってくるのが見え、一気に混乱した。その隙に別の人が座り、おばさんはしんどそうにドア脇の手すりにもたれかかった。荷物をパッと置いてから誘導すりゃよかった。おばさんに誰も気づかない、それか、気づいてても譲らない。次の駅で席が空いたらすかさず取るぞ、いやそこまでするなら優先席のところに行って、だれか彼女に席を譲ってくださいと言うぐらいやるべきでは、と葛藤しているうちにおばさんは三駅ぐらいで降りて行った。

乗り換えた電車は始発で座れた。二駅ぐらい先で今度はおばあさんが乗ってきたので、光の速さで譲った。さっきの失敗を取り返す勢いで。

公園は大賑わい。

かいぼりをしたためか、池の水が見たことがないぐらい澄んでいて中の水草がよく見える。水鳥の雛?が3羽で水面でお互いを追い散らし合いながらずーっと喧嘩している。

他にお客がいなかったのでだいぶ長居して克子さんとあれこれとりとめなく話をした。

本二冊買う。

山道具屋へ行くべく神田へ。

駅を出て信号待ちのとき、斜向かいのビルの下でしゃがんでいる人がいて、警察官ぽいなあと思った。信号を渡って近くに行ったら警察官だった。無線で話していた。

仰向けに倒れているミニスカートの若い女の子の介抱をしていた。その先に自分のメインバンクがあるのが目に入った。本を買ってお札がゼロになっていたのでちょうどいい。前を通ることになった。通りがかりに見ると、警官もこちらを見てきた。金をおろして、再び横を過ぎながら何か手助けをした方がいいのだろうかと迷う一方、プロがこうして介抱しているのだし、助けも呼んでいたのだからとも思って、何度も振り返りながらしかし戻らなかった。いや何もできないということもない、生足だったのだから自分が着ていたコートをかけてあげるぐらいできた、今からでもどうだ、と二つ先の信号を渡ってからまた振り返ると、ようやく駆けつけたらしい他の警察官の姿があった。結局関わらずに終わり、冷たい都会の人間だった。

店に行く15分ばかりの間にパトロール中で留守の交番があり、遠くの道を走っていく救急車もあった。

そしてこの件は、家に着くまで挽回のチャンスはなかった。

山道具屋は目的の商品が品切れで、エクササイズだけ教えてくれた。

店を出て駅を目指して歩き始めたとたんにMさんからLINE。