新聞の読書欄の楳図かずお本書評がインパクトの大きかった朝。遅めに出て世田谷美術館。横尾忠則展。
今まででいちばん好きな感じだなあと思った。何しろいい年になってから同級生が集まって笑顔で記念写真を撮れるという関係性、および人間性がいいな。
とはいえずーーーーっと見ていくとやはり「もういっか」となる。
重要なのは一点一点ではなく、活動と思考およびそのプロセスだと思うのだが、展示されているのは一点一点の絵なので一点一点の絵として見てしまう。
インド美術展も見る。ブロンズでできた人形が圧倒的に良い。何のために作ったのかな。ヤシの実?を採っている人とその下で見ている人とか。
所蔵を確認すると日本の作家は寄贈品、寄託品の作品が多かった。
一枚ずつ額装された向井潤吉のスケッチブックは周囲が同じ形に焦げていた。火事かなんかか?
砧公園を横切って、総合体育館のバス停へ。雨の黄昏の砧公園、よき。深い森の緑に抱かれた公衆トイレの明かりが美しい。
二子玉川行きと思って待っていたバスが用賀行きだったので、歩くことにする。約30分。風が結構あるが雨は弱くて助かった。
本屋とオカダヤ。
坂口安吾「桜の森の満開の下」読む。文章の魔力。これ10代に読んでたら脳みそに変な汁が出てすっかり占領されてしまっていたかも。いや私自身の10代の脳みそはこのよさを味わえるほど高度ではなかった。
最後「あっ あっ」という間もなくあっけなくほどけて散って消えた。