ますます寒い、晴れ

こだま「夫のちんぽが入らない」

夫のちんぽが入らない(扶桑社単行本版)

夫のちんぽが入らない(扶桑社単行本版)

軽快に愉快に西原理恵子的に不幸を笑い飛ばして話が進むのかと思ったら、全然違った。翻弄されまくってずたぼろの記録だった。帯にあるとおり心も体も血まみれの20年の話。
読み切ってしまった。
試練に次ぐ試練。
著者は自分を責めて全部自分で抱え込む人で、ダメだダメだと言っているが、その都度全力で向き合ってきたからこそ最後に得るべきものはちゃんと得ているのではないか。問題生徒の将来の夢のことも、とっさにそんな言葉が出るのが素晴らしいと思った。
他人に気を遣わせることや重荷になることを極端に恐れている印象で、それがこの人を追いつめているように感じた。
問題生徒と「おじさん」と、それぞれとの結末がしびれる。
山に欲情する男の表現などは、詩人のようだ。
もちろん自分と比較してしまう。この人のように全力でぼろぼろになりながらがんばったことはないし逃げ続けている。自分を恥じる結果になる本だった。



「つるとはな」4号も買った。
取り上げられている人が裕福な人ばかりという印象。少しがっかりする。



夜、自転車で実家へ。
ダウンにセーターにシャツにヒートテックでも、歯の根が合わない。カチカチ言わせながら走る。着くころには顎が痛くなっていた。