マタイ受難曲


やっと聴きに行けた。生で。
が、歌詞が日本語だった。
こういうのもありなのか。
知らなかった。
残念。

指揮者は90歳。
と思えぬほどの指揮ぶり。
両手で。全身で。
前半後半合わせて3時間半立ちっぱなしで。
最後、舞台後方の歌手に挨拶を求めに行く時、
譜面台を倒してた。
戻ってくるときは段差をぴょんと飛び降りていた。

チェンバロ奏者もなかなかの高齢の西洋人で、
横にずっと座って譜面をめくっているのが
若い日本人の青年で、
律義な孫と祖父のように見えた。

舞台後ろの壁の回廊みたいなところに
子供たちがぞろぞろ出て来てコーラスを歌う場面があった。
女の子たちの髪留めがあちこちできらっきらっと光った。

ソプラノのきれいな若い女性が歌う時、
「人の子にはあらずして(中略)蛇になりたる」という歌詞の所で
首の動きがろくろっ首みたいだった。

客は高齢のちっちゃい人々多し。
杖をついている人も多し。
でも皆楽しそううれしそう。
前の方で、譜面を持ち込んでめくりながら見ている老紳士あり。
私の座席の何席か隣で、ノリノリでリズムを取っている手が見えた。



キリストが捕まって磔にされて
墓に納められるまでのことを描いている。
年に一回、キリストが死んだとされる聖金曜日に演奏するために
作られた曲だそうだ。
話のディテールはこんななのかーと面白かった。
聖書を読んでみたくなった。
ペテロとユダの対照が印象的だったなあ。
誰が、そしてコーラスが、今どの役をやっているかが
難しかったが。

今度は原語で聴きたいものじゃ。