そんなに寒くない、晴れ

実家へ。

犬散歩する。
家から500メートルほどの商店街の入り口で、
すずが「ぴよー」と帰りたがる。
それでも少し遠回りをする。
あと角をもうひとつ曲がったら家の前の道になる、
という角を曲がったら、
すずが何度もたろうを振り返り始めた。
こういうのは初めて。
「帰るわよ!」と言ってる。気がした。
毛が薄いから寒いのかねえ。



ノンアルコールの夜は長い。
津村記久子「とにかくうちに帰ります」読む。
ドラマチックなドラマが何も起こらない、
人と人とのぶつかり合いも起こらない、
ただ淡々と日常からほんのすこーーーーしだけずれた
関わり合い、というか、その際に心に起こるなにがしか、
が丁寧に、細密に、描かれている。
それをもう、染みるように読んでしまう。
続けて今和泉隆行「みんなの空想地図」。
「みんなの」というぐらいなので、
ワークショップやゼミのようなものをまとめたものかな?
と思って読み始めたら、
導入部は著者の幼いころからの妄想地図の歴史の話。
面白い。
めちゃくちゃ面白い。
シムシティとA列車を紙と脳でやっている。
図書館の本だけでは足りず資料を求めて小学生で唯一、
町の資料館に足しげく通う。
中学高校では友人を巻き込む。
交通機関廃線、合併、名称変更。
著者の成長につれ、町は栄枯盛衰の歴史を刻む。
カミロボを思い出した。
こういうのは男子の真骨頂だよなあ。
女子でもいるだろうか。

「とにかくうちに帰ります」は公共交通機関の麻痺によって
それまで歩いたことのない地域を歩く人たちの話だった。
後半に出てくるのが大阪の千本松大橋をモデルにしたらしき橋。
登場人物たちは豪雨の中この橋を渡って本土を目指すのだが、
中の一人が橋を渡りながら「自分たちが小動物になって、
誰かにこういう水槽に放り込まれて観察されている」
(文章は覚えてない)ような気になるくだりがあって、
それは今和泉さんかもね、とか思った。

とにかくうちに帰ります

とにかくうちに帰ります

みんなの空想地図

みんなの空想地図