河原を部屋まで歩く。
土手の下のベンチに座った。
コアジサシの繁殖地として立ち入り禁止になっている中州のあたりに
瀬ができていて、目の前の流れはそこに注ぎ込んでいるのだが、
瀬の勢いのためか波が上流に向かっている。ポロロッカのようだ。
それに見とれていると、昔近所に住んでいたという
初老のご婦人に声をかけられた。
このあたりの変わりようについて質問してきたのだが、なかなか去らない。
私はぼんやりしていたいのだが・・・と思うが相手する。
だいぶしゃべってから、土手の上へ去って行った。
隣に座ったらどうですかと言われるのを期待していたかもしれない。


部屋で年賀状確認する。
隣の稲荷神社でお参りしておみくじを引く。
中吉。
しかし書いてある内容は辛口だ。


国立博物館の年始の展示を見る。
猿の部屋ではかしこまって見ていたが、
だんだん楽しくなって来てきょろきょろしながらうろうろする。


上野駅前の喫茶店で休憩。
都築響一「圏外編集者」を読む。どんどん読む。
ときどき感極まる。
最後の章にさしかかったあたりで
会社の同僚同士らしい若い集団が入って来て声が大きい。
誰と誰が過去につきあっていて誰がかわいいといった話を際限なくしている。
女の子は一人しかいないらしくときどきはしゃいだ声で相づちを打っている。
自分はかっこよくてモテてイケていて怖いものはない、
と思っている男の声としゃべり方はなんでみんな同じなんだろう。
とても耳につくので残りを読み終えるのを諦めて出る。


御徒町まで歩く。
クレーンの裏に書いてある文字すら面白い。
きょろきょろしてしまう。