涼しいか、雨のち晴れのち雨

昨日ナメクジ対策をウェブで探していて、小学生の男の子の数年にわたる自由研究のページに行きあたった。ナメクジが嫌がるものが何か調べるためにナメクジを使うのだが、調べるうちにナメクジ好きになってしまったこの少年はナメクジに協力してもらうという体で実験を行う。終わったら庭に放す。共存の道を探っている。読んで、憎しみに満ちて殺しまくっていた私はすっかり反省してしまった。今朝は見つけたやつは敷地の隅に放逐した。
喰われまくってレース状になった菜っ葉を間引きする。株や鉢が密集して風通しが悪いからナメクジや芋虫の被害が多いのかもしれない。


夜、佐藤直樹さんの展示会場でナイトツアー。
広い展示場の遠くの暗がりにひとつ小さく灯った明かりの前に人の形をした者がいて、さまざまな声を発しながらゆっくりとこちらへ近づいてくる。最高の演出だなあと思ったが、チケット売り切れとあって人が密集していて、なんなら私の前には180センチ以上ある大柄な青年が立っていて、その隙間から覗くかたちになってしまったのでとても残念だった。無理だとは思うが一回に観客一人だったら最高だろうな。
野生が目覚めるようであった。
しかし佐藤さんの絵の世界は徹底的に死んでいてなんなら真空でバクテリアすら存在しなくて、これら植物は化石のようなものだ。そこに響くなんらかの生き物たちのさえずりや咆哮やつぶやきも、遠い昔にほろんだ者たちの声の化石のようなものだ。
だいぶ、現世に帰りたくなかった。闇の奥が呼んでいた。とはいえこの闇はきりがある、帰れることが保障された闇だ。進みたくなるのはそのためで、大賀集落で深夜一人で行ってみた道の外れの闇のほとりは、わかりやすく境界にポールが立っていたせいもあって、帰って来られない感じがした。ならばそこは進むことに憧れながらも進まない。私のつまらなさはこういうところだ。
劇場の客席は帰ってきやすくするようにあるのかもしれないと思った。


実家。
たろうの番。薬を盛らないのによく寝る日だった。帰ったとき既に寝ていて、それから二時間以上は寝ていた。
ひよっこ」の昨日の回を観て、今日は誰も起きていないので存分に号泣。