母誕生日。
モッコウバラをなんとかする。
梅の木の上方に絡んだやつはなんとかならない。
紫木蓮は近くで見たら開いた花は食い荒らされていた。多分ヒヨに。白木蓮は食べられない。屋根の上で格闘している間に下を西洋人のカップルが通り、女性の方が連れに「モクレン?」と聞いていた。
部屋から持ってきた「カオス・シチリア物語」を観る。本当に何度見ても好きだ。
優れているとかどうとかは私には言えない。とにかく好きだ。
チョコレートケーキでお茶。
それから醍醐の蒸し寿司を受け取りに行く。
無事戻ってきて、あと澄まし汁に蕪の葉っぱを入れるだけ、というところで姉が「母がいない」とやってきた。数分前にトイレに行くと立ったはずだが確かに外出している。
リュックひっかけて自転車に飛び乗る。
それから約30分は探し回り、ようやく母校の中学校裏で遭遇した。さすがに声に怒気が含まれてしまう。
いい運動にはなった。いつもだったら口に出してそう伝えるところだが、言いたくなさがあった。
母はしきりにありがたがったり自転車を妙に褒めたりする。「ここがいやだとかなんだとかはないんだけどなんかふっと出てしまった」と自分から言う。
とにかく無事戻り、晩餐。
「カオス・シチリア物語」の最後のエピソードで、もう亡くなっている母との対話の中で「母さんが死んでしまって、自分を思ってくれている人がいなくなった」と作家が言うシーンがあった。本当にその通りだな。