日暮里へ行く。
スーツケースを携えた人々の列が
駅の構内いっぱいにとぐろを巻いている。


日曜なのにパキラがやっているではないか。
うっかり入って、また生地を買ってしまった。


谷中方面に歩いて、櫻木画廊で吉村宗浩さんの個展最終日。
ご夫妻でいらしたので、いろいろ話が聞けた。
やっぱりこの世界観がたまらない。


千駄木へ行ってフリュウ・ギャラリー。
オーナーさんがいらして、話す。
前にギャラリーがあった場所のぞくぞくする話とか。
食いついて聞きまくってしまった。
面白い経験をたくさんされている。
生き方も素敵だ。
私もこう生きたいものだなあ。


画廊の近くの桃色の3階建ての集合住宅の前で、
粋なばあさんがちりとりで雪かきしていた。


谷中から千駄木に向かう道。
朝日湯は今日は日本酒湯。
寺がたくさんあって、法事の人がちらほらいる。
大変モダンで上品な老婦人4人組が、
まるで白黒映画の登場人物のように
語りふるまいながら寺の門の前にいた。
小津映画ではない。もっとおきゃんな感じ。
家族と一緒の別の老婦人は、
真っ黒いベルベットのロングコートを着ていて、
遠くから見るとベルベットの繊維が
光をまるで吸収して、見とれた。
ブラックホールのようだ。


帰ってまた描く。
桜の木の絵。
なにしろ今日は上野桜木に行ったのだからして、
描けるに決まっているだろう。
と暗示をかけて描く。



小田嶋隆「ポエムに万歳!」読了。
内容は全然万歳していない。
一歩引いていてクールで切れ味がいい。
が、団塊の世代と森ガールを語る時だけ、
熱量が少し違ったように感じた。
前者については憤懣がある。
後者についてはつべこべケチをつけつつ、
要はその辺の子たちと
なんとかなりたかっただけですね、兄さん。みたいな。
面白かったです。