「本の雑誌」7月号。
青山南さんのコラムは近藤麻理恵「人生がときめく片づけの魔法」のアメリカでの文学的な受け止められ方について。アニミズムなのか。俄然読んでみる気になった。
穂村弘さんが、急逝した吉野朔実さんについて書いていた。私は吉野さんのことは作品を読めればそれでいいと思っていたが、穂村さんに描き出された人間性を知るとぜひ実際に話すところを聞いてみたかったと強く思った。
もうかなわないことなのか!と、ハッとする。
吉本ばななのエッセイ集「イヤシノウタ」を水を飲むように読む。これまで吉本ばなな作品にはあまり興味がなかったのに、本屋でふと開いたら引き込まれて買ってしまった。心のあちこちにこびりついていたよくないものひとつひとつに魔法の杖があてられて、シャラララララーと細かい光る粉になって昇華されるようだ。「いいんだよ」と言ってくれているような。
「いいんだよ」と言ってほしかったのだな私は。
「よくない」と思っていたというか。
自分に対する「よくない」がなくなれば、他人に対しても「いいんだよ」と心から思えるようになるはず、という希望が湧く。
少しずつ。