「ラストナイトインソーホー」観る。
入る前、高校生みたいな若い子たちが大勢いたがみんな「そして、バトンはわたされた」に入って行った。
こっちはガラガラ。真後ろにカップルが座ったが、彼らも含めてみんなマナー良し。ていうかポップコーンを食べる音などがあまり気にならない映画だった。
以下ネタバレ。
途中まで、「ハッ、しょせん男の書く話だな」と観ていたが、最後は救おうとしていた。あとで共同脚本家は女性だったと知った。
図書館や街中まで追いかけてくる男たちの幽霊。サンディが遭遇した恐怖が具現化されているならば外に出てくるのは、ましてエロイーズを追いかけてくるのはおかしいのでは、と訝りながら観ていたら、なるほど助けを求めていたのか。現在のサンディに凄まれて「ひえっ」とビビるおっさん霊たちがおかしかった。なるほど「ショーン・オブ・ザ・デッド」の作者。
サンディはオーディション()で歌った以外に歌をがんばっている描写がないので、歌手を夢見てロンドンに出てきて夢をつぶされた、という点にあまり説得力がない。この描き方だと、有名人になりたくて出て来ただけ、という感じになってしまう。
描き方でいえばルームメイト。母が白血病で亡くなったことも自殺した叔母がいることも事実ではあるのだろうから、他人からのケアをかなり必要としている子なのでは、注目されないことにものすごい恐怖を感じているからこそのああいう言動なのでは、という気がするので、ただのイヤな感じの同級生、あとでほえ面かかせるためだけに登場させた、という感じでもったいなかった。
総じてこのように、どうしたって複雑になるはずのモチーフが深めないまま並べられたという印象があった。
あと殺して壁や床下に死体を隠したら、とてつもない臭いがするからそんなにしょっちゅう連れ込めないぞ。「運命じゃない人」の荒川良々に蹴られるぞ。
最後のドレスも、そんな絶賛されるみたいなやつだったか疑問。