松陰神社前に新しくオープンするコロッケ専門店のプレオープンイベントに、誘ってもらって行った。
おしゃれな場所のおしゃれなお店で、おしゃれなお客がたくさんいた。
そしてコロッケは美味だった。ビーツとクリームチーズの中身が真っ赤なコロッケとか、マッシュルームとチーズのメンチカツとか、イカスミのコロッケとか!未知の組み合わせで楽しい。
all about my croquette.
おしゃれでキラキラした人々がたくさんいた。店主は30代半ばで夢をきちんと実現させているし、どこを見てもまぶしい。Yちゃんと一緒に来た男の子は、このあと彼女のお父さんに初めて会いに行く予定。自分になにもなくて、いまくすぶっていることがことさらに身に染みた。


Yちゃん行きつけの下北沢のバーへ移動。
6周年の日なのだが、7時半に行ったらドアが閉まっていて宅急便の不在票が挟まっている。首をかしげながら一度外に出て、店の周りをまわってうかがうけれども中にいる様子がない。せめてお祝いの手紙を残そうと2階の店に上がって行ったYちゃんが「不在票がなくなってる」と降りてきた。一緒に2階に行ってドアをノックしたら、中から別のお客さんが出てきた。私たちが外で「どうしよう」とうろうろしている隙に戻っていたのだ。それぞれの動線でアニメーションを作りたい感じだった。
Yちゃんは仕事上の立場が少し変わってストレスが体に出ているそうだ。でもきっと乗り越えられるんだろう。そして一回り大きくなるんだろう。



つげ義春の奥さん藤原マキ「私の絵日記」を読む。植本一子「かなわない」に出てきた。確かに通じるものがある。初代腰巻お仙。
本人は癌で平成11年に亡くなっている。没後書かれた夫つげ義春による文章が巻末にある。本編を読んでいるときに出来上がったイメージを身もふたもなく覆してきてけっこう衝撃。本編からはのんびりとしたおおらかな人物像を連想していた。平等に書いているつもりでも、主体が自分である以上平等にはならないんだよなあ。特に奥さんの芸術に対する姿勢について批判的に何回か言及していた。そこはとても腑に落ちた。
絵が素朴で丁寧に細かく描かれていて、絵本を何冊か作ったそうだがなるほどと思う。つげ義春が結構男前に描いてある。当のつげ義春は巻末の文で下手だと言い切っていて厳しい。

私の絵日記 (ちくま文庫)

私の絵日記 (ちくま文庫)