あたたかい、曇り

昼、いつもの中華でランチ。
注文して「犬が星見た」を読み始めたら、店の中を黒い小さい柴犬がちょろちょろちょろと歩いている。
ペット可になったのか?まさかマスコット犬じゃないよな?と混乱して見ているとスタッフの女性が慌てて追いかけだした。迷い犬だ。
犬はわりと落ち着いてテーブルの下を逃げ回った。私の方に来たのを捕まえた。抱き上げるとおとなしく抱かれている。とてもかわいがられているのだろう。首輪には鑑札がちゃんとついていた。
店の外に麻ひもでつながれて、スタッフの男性が保健所に電話した。もし預かり手がいないようならうちに・・・と申し出ようと迷って、申し出なかった。



この世界の片隅に」を観に行く。
下の高級パン屋で小さい高級サンドイッチを買って、予告編の間に食べていたら隣の席の背の高い若者がすごく見てくる。確かにパンの皮が硬くて食いちぎるときに音はするが、予告編の間ぐらいだめなのか。だめじゃないだろと思って、無視して食べた。
青年の向こう側の席に初老の男性が来て、持っていたコンビニ袋を開けようとガサガサ音をたてたら、そっちには直接注意していた。なんと言ったのかはわからないが、おじさんはおとなしく袋を膝に乗せた。
映画はとてもとてもとても丁寧に誠実に作られていて、オープニングですでに泣けた。そして笑った。そして攻撃の恐ろしさに震えた。初めて映画で空襲を恐ろしいと感じた。
家にある原作は上巻が行方不明で、下巻だけ何度も読んでいたので後半の展開は再確認のような感じになってしまったのが少し残念だった。初見でこれだったらどれだけの衝撃を受けただろうか。
最後の女の子は、お母さんの右手を思い出したのか。あれだけ何度も読んだのに、まったく気がつかなかった。
能年玲奈はすごいとしか言えない。すごい。すばらしい。すばらしい。