無題

大きいショッピングセンターの中にある大きい書店のレジカウンターにて。
隣のレジに来た親子連れの息子(4歳ぐらい)が、
「みたいー!みたいー!」と連呼して、
父親に抱えあげてもらっていた。
カウンターの中をぐるりと見まわして、その後静かになった。

自分の身長では見えないところがものすごく気になる。
その感じは覚えがある。
別に、宇宙戦艦ヤマトみたいに計器がずらりと並んだコックピットを
期待しているわけではない。
とりあえずこの目で見て確認したい。
なんだろう、あの見なければ済まない気持ちは。

なんつって、彼は大いにコックピットを期待した結果、
失望のあまり沈黙したのかも知れないけれど。



同じショッピングセンター地下の食品売り場で。
夜8時ごろ。
エスカレーターの脇の隅っこのどん詰まりのベンチに
身をひそめるようにして一人で弁当を食べる、
おしゃれをした30代後半の女性。
どこも見ていない目。





他人の人生ばかりきょろきょろ見てしまう。


・・・と打っていたら、他人の人生のしょうむない一面を
目の当たりにさせられた友達から写メが来た。
笑っちゃったりして。
平和なのかも知れない。


大量の人生があっち行ったりこっち行ったりしている東京だな。
その熱量と堆積。