90過ぎのおばあちゃんのいる八百屋がある。
久々にじゃがいもなどを買いに行った。
おばあちゃんはいなかった。
(もう引退したのかもしれない)
おばさんが「たけのこどう?」と聞いてきた。
見ると床に置いた大なべに
ゆでたてのたけのこがふたつ入っていた。
おばさんは「家庭用のコンロでやるから
汚れちゃってもう大変」と言葉は愚痴だが
得意さと嬉しさか晴れやかだったので
こっちもうれしくなってひとつ買った。
500円。
祖母の家は竹が生えていて
両親が毎春せっせと掘っては
せっせと食べさせられていた。
「ふーんたけのこか」ぐらいの意識だ。
両親についても「スキダネー」と思っていた。
いざ買ってきて自分の部屋の台所で
ビニール袋を開けたら、
香りのよさにうっとりとしてしまった。
なるほどなるほどこういうことか。


Kちゃんがミシンを使いに来た。
フラノ発表会の衣装。
仮縫い用のシーチングみたいな地味な生地と、
きれいな真っ赤な生地と2枚のスカート。
せっかくの赤い方を中に着るそうだ。
宗教的な意味合いがあるのだろうか。
たけのこごはんを作り、鶏を焼いて食べた。
持って来てくれたケーキも食べた。
お互いまた、同じ曲がり角に
来ているなという話をした。