ユトレヒト→スペースユイ→ミヅマアートギャラリー



ユトレヒトに向かう途中でBLOCK HOUSEというギャラリーで松岡亮という作家の個展に引っかかって、見る。刺繍作品(たぶんミシン)の迫力がすごかった。同じことを絵具でもやっているけれど、刺繍の方が手間への連想が働くし、物理的な点でも説得力があった。
ユトレヒトでチオベン食べる。魅力的な私家版の冊子がたくさんある。大阪で見て気になっていた「馬馬虎虎」というZINEがあったのでここぞと買った。他に、卵を巡って考察した英語のZINEと、韓国人画家がアイスランドで滞在制作したときの作品をまとめたZINE。韓国人画家はハンカチも売っていた。素敵だった。
ユイで竹井千佳ちゃんの個展。毎日在廊している。みんなせっかく来てくれてるのに感想を聞いたりできないのはもったいないからずっといるんだと言う。次々と現れるお客さんと一人ひとり丁寧に明るく話している。偉いなあ。先週の二日間だけで、人間はしばらくいいやと思っている私。Mちゃんとばったり会ったのでお茶する。彼氏ができた話を詳しく聞く。よかったなあ。「喜んでくれて嬉しい」と言ってくれた。わたしも喜べて嬉しい。
Mちゃんと別れてミヅマではO JUNさんの個展。制作日記が出力されて小さい座敷に置いてあった。二部のみ。読んでいる先客が二人とも一心に読みふけっていた。座敷の座布団にぼんやり座って読み終わるのを待った。二人とも最後のページあたりで腰を上げ、座敷に展示してあった赤シャツの男性像の前で冊子と絵をしげしげと見比べていた。何かその作品について書いてあるのだな。ようやく手に取って、読み始めから読み終わるまで40分ぐらいかかった。私のほかに何人か手に取った人たちは早めに置いて去った。作家の心情をここまで赤裸々にしかし読み甲斐があるように書かれているのは、大盤振る舞いのような感じだ。未知の若手作家の名前がどんどん出てきて、端からメモした。
知らない若いすごい作家が、たくさんいるのだ。
3メートル×5メートルだったかの巨大な作品を床に置いて描いているときの記述。「描きだまりができた」という表現が面白かった。



実家へ。
駅前の肉屋跡地にできたデリ+ケーキ屋で初めてケーキを買う。強気の値段。