梅雨明けしていないのに昨日も今日も酷暑。
真っ黒な雲が来て5時頃から雷が鳴って雨が降ってきた。
帰る頃も降っていたが、明るい空からさばさば降る雨だった。こんな降り方では地面は冷えないもっと降ってくれと思いながら歩いた。
イングマール・ベルイマン「野いちご」を観る。
初ベルイマン。
昔だし白黒だし人間ドラマらしいし、まあ寝るだろうと思っていたが全然寝なかった。食い入るように見た。画面のひとつひとつ。せりふのひとつひとつ。
私の知っている定番の展開には全然ならない。そういう定型ができる前の映画だし、そういうことからは自由でいられた監督の作ったものだからなんだろうな。
ヴィクトル・シュルストレム演じる78歳の主人公イーサクがすごく魅力的だ。使うのが恥ずかしい言葉だがチャーミングだ。そのイーサクが他人からとか夢の中で冷たいとか孤独とかさんざんに責められる。容赦がないし、老人がそのいちいちに素直に動揺し傷つくので見ていてつらい。しかし映画はイーサクの内面世界を描いているような部分があるから、イーサクを責めているのはイーサク自身なのかもしれなかった。そして見ていてつらいのは、責められている部分に自分を重ねてしまっているからということもあった。
というわけで映画はイーサクの心についての話なんだけれども、それ以外の登場人物たちもそれぞれの傷や希望を持って生きていて、それもまたよかった。
最後、若い娘が外からイーサクにかける言葉にグッときたし、パツッという感じの終わり方もよかった。