たろうの様子はますますよろしくない。
退社後、獣医へ。
診察室の床で急に寝て、そのまま寝続ける。
入院して点滴して様子を見ることになった。



「アズミ・ハルコは行方不明」を読む。
登場人物の誰一人として大切に扱われず、
そして誰のことも大切に扱わない。
どうでもいい相手と関わりが始まっても、
どうでもいい相手のまま終わる。
現実ってこうじゃんと言われているようで殺伐とした気持ちになる。
最後も、だから強くひとりで生きていくのというのではなく、
なにか間に合わせの逃げ場所をつくったような印象。
こどもの秘密基地のような。
ラストのシークエンスの唐突な祝祭感で幕を閉じるが、
彼女たちの将来はこの小説の冒頭につながるのではないか。
どうでもいいが、アズミとハルコという二人の人物を巡る話だと思っていた。