何気にぬくい、何しろ雨

電車からバスに乗り換えるときに、バス停の方にあるデパートの食品売り場を父がずいぶん気に入って、嬉しそうに話していたな、と思い出して突如悲しみが押し寄せる。何がトリガーになるかわからないなー。という感慨。すぐにひっくり返る超軽量傘で暴風雨に立ち向かいながら。

 

お台場へ。黒沢清の話が聞きたくて爆音映画祭の「CURE」へ。

降りるバス停だと思っていたのは単なる折り返しで、本当はフジテレビ前だった。そこで客のほとんどが降りて行ったのを「ホーン」と見送っていた。バカだった。アクアシティの中を走った。こういう時に限って発券機のタッチパネルが反応してくれない。年よりだからか??隣のタッチパネルは普通に使えた。1分間に合った。入口にあった座席表のざっくりした記憶を元に座ったら、あとからすぐ隣に男性が座ってきた。私が一つ間違えていた。映画が終わってトークショーの間に多分トイレに立って不在のうちに本来の席に移動してもよかったのだが、今更なあという気持ちもあってそのまま座っていた。隣の人も少々居心地悪そうだった。本当に私がポンコツなせいですまない。

トークショーを挟んだというのに、出てすぐに入った映画館のトイレの光景が怖い。手洗い場で稼働するハンドドライヤーの音が怖い。素晴らしい。洗濯機の音が何より恐ろしい映画。

黒沢監督が「最高傑作」と言っていた「スーサイドスクワッド」も観るかどうか迷って(席がずいぶん空いてたし)、しかしゆりかもめに乗った。トークショーの間猛烈な睡魔に何度も襲われてしまったので、見通せる気がしなかった。

新橋で降りて、SixでBororoの新作を見て(丸にちなんだ小さい展示もよかった)、有楽町のアウトドア屋に行くと、アウトドア屋の前の通りで暴風が東から西へ突進していた。傘を正面に構えて進み、店にびしょびしょになって入ったが、親切だった。

パンツとトップスを買った。ちょうどポイントサービス期間が始まったところだった。

満足して最寄り駅へ帰り、ラーメン屋に入った。

私の前にスーツを着ためがねの繊細そうな男性が券売機にお札が入らず、店員を呼んだら忙しかったのか少し邪険に待たされていた。更に、ラーメンは私のほうが先に来て、店員は一応断りを入れていたが、今日は彼の日じゃなかったんだな…と勝手に切なくなった。