6時半起床、干しブドウのパンを焼く。二次発酵で生地の表面に穴があいてしまった。タンパク質分解酵素が増えてしまったのか。案の定膨らまず。昼に食べる。干しブドウのおかげで酸味はそれほど気にならない。



開けて5日ほどたった牛乳にあたって午前中下痢。
しかし同じぐらい経過した生クリームかもしれず、冷凍庫から出して二日目の大豆かもしれず、開けて二週間の胡麻ドレッシングかもしれず、容疑者が多すぎる。夏。



夜、久々に美學校へ。Kちゃんと。「演劇 似て非なるもの」クラス卒業生の鈴木健太さんの作・演出による舞台。開場前は階段に長蛇の列が延びて、期待値の高さがうかがえる。佐藤さんと、前期のO君、今期のMさんもいた。
受付にいた女の子に声をかけられる。私のときの絵と美の修了展に来て、林さんも一緒に話をしたことがあるとのこと。覚えていてくれて嬉しい。覚えてなくて申し訳ないなあ。
公演は、美意識を徹底して丁寧に構築していく感じだった。切実に伝えたいことがあるのではなく。


成功のビジョンについてとか。
物の見方、考え方の違い。


Mさんはイラストレーター志望。売り込みをしまくって仕事をもらうよりも、向こうからぜひお願いしますと依頼されるようになりたいと言う。もちろん自分もそうだけれども、まだ世に出ていない若い人の口からそうやって聞くときのこのこそばゆさというか恥ずかしさというか。もじもじした。
Kちゃんは対照的に切り開いて行こうとしている。


メイ・サートン「独り居の日記」を読み始めた。
女流詩人が恋人との手ひどい別れを経験し、ニューイングランドの田舎の家で独り暮らしをしている中で書きつづった日記。
つうとなんかロマンチックだが詩人はこのとき60歳近くて、別れた恋人は女性で、1960年代で、そういうところがさすがアメリカ自由の国。と思ったら、カミングアウトしたことで大学の教職を解かれるといった逆境もあっての隠棲でもあるらしい。
自然を愛でつつ思索にふける感じかな、最初の数ページぐらい読んで図書館に返すことになるかなと思ったが、著者の内面の葛藤が生々しく書かれていて引き込まれた。
他に持ち歩いているのは山田風太郎「戦中派虫けら日記」。ひとの日記はやっぱり面白い。


夜、またパンを仕込む。