そこそこ寒い、晴れ

庭の椿がどすどす咲いている。週末に剪定をするつもりでいるので気をつけて見たら、赤いのやら白いのやら八重やら斑入りやら大小取り交ぜて、ずいぶんいろんな種類が植わっているのだと驚いた。自然に交配して勝手に増えたからだろうか?

しかしどれがなんという名の椿かとんとわからぬ。植物学者の子どもなのに植物のことを実によく知らない。そのくせ園芸好きの友達が得意げに知らぬ名前を繰り出してくると妙なプライドが頭をもたげて素直に感心できない。「イカとクジラ」の長男である。いろいろ教わっておけばよかったとチラッと後悔するが、興味の矛先が違うのだし丁寧に伝授されるために割く時間はなかったなと思い直す。

主庭(というか南側の庭)に回って、植木鉢の枯れた葉っぱの下から球根の芽がどすどす出ているので枯葉を取り除きながら、なんかこのへんの鉢の一つに白い花が咲いたとき、どうやら咲かせるのが難しい花だったようでとてもきれいだと喜んでほくほくと母に見せ、私のことも呼んで見せてきたなと思い出す。出勤間際か何かだったのもあり、気のない態度しかしなかった。それについてもまた後悔がちらっと芽生えるが、逆の立場だったときに父がだいたい塩対応だったことを思い出して、そんな後悔は必要ないのだと自分に言い聞かせる。

折に触れてはもう少し素敵な親子関係が築けたのかも?と想像し、それを理屈をもって打ち消す。近頃は万事そんな調子だ。

弟や姉はもう少し素直にまっすぐ父を好きだという気持ちを持っているような気もするし、また別の屈折があるようにも思う。

私の家の話だ。

 

 

3月になったら、ここんとこまったく静まり返っていたメルカリにいいねがいくつかつき始めた。