酷暑、晴れ

朝、母出奔。

いつも開け方がわからなかったドアの鍵を突破した上に、エアタグがついた靴ではなく姉のサンダルを履いて行ったので追跡できない。

徒歩で探しに出る。とはいえ闇雲に近い。交番に届けに。最寄りは人員削減で人のいない時間帯だったため、隣の駅の交番まで行く。やる気のない警官が対応。そこからまた大通りの方に行って戻ってきて、力尽きそうなので一旦帰宅。服がすごいにおいになっていたので着替える。

しばらくして姉が出る。

姉が戻って昼を食べて、少ししてまた出る。今度は自転車にする。チューブの交換をしなければいけなかったのだ。ひさびさなのでまた手こずり、物に当たりそうになる。猫の餌皿の近くに赤い透明感のある粒が落ちているなあと思ったら自分が出血していた。ところどころ力任せにやったせいで知らないうちに手の甲を傷つけたらしい。

神社三件に神頼みして戻ったら警官二人が届けの書類を作りにきていた。男性の方は目つきが鋭い。

明日の山はもう無理だなと諦めて、Kさんに詫びの連絡を入れた。認知症専門士の資格を持った看護師だった。

警官が帰ってからしばらく休む。服をもう一度着替える。1時間ほどで姉に電話が入り、母発見の報。四駅も離れた公園で熱中症でうずくまっているところを助けてくれた人がいたらしい。姉が対応している間に警察からも固定電話の方に連絡が入った。病院に運ぶというので車を出す。

点滴をしていた。呂律回っていなかったが点滴が終わったらヨロヨロ歩いて車まで行けた。朝から飲まず食わずで排泄もしていなかったかも知れないのに、強靭。

母の奢りということで寿司を取る。母はほぼ残す。